正直言いまして、何がよいとは、一言でいえません。何度も言いますが、一人一人のライフスタイルが大きく影響してくるからです。例えば、私は標高1200メートルの北軽井沢に住んで、宿業を営んでいますが、気分次第で、いつでも気軽に日帰りで山に登れるために、ザックの善し悪しに無頓着になってしまっています。
ペンションとユースホステルをやっていては、長期縦走は夢のまた夢ですし、近場の日帰り登山が精一杯です。しかし、「今日は良い天気だ」と思った矢先に、車を15分も走らせれば登山口に到着する立地なために、ザックの善し悪しに拘らずとも十分に快適な登山ができるからです。ザックどころか、雨具にもこだわりません。晴れたら何時でも登れるという自営業の身軽さをもっているために、ちょっとでも天気が怪しかったら登らない贅沢を選べるからです。
でも、大半の方は、そうはいかないはずです。私も、勤め人時代はそうでした。わずかな休日のうちの何割かを山にあてるために、多少天気が悪かろうがでかけたし、長期縦走も何度も行いました。そういう場合は、雨具にもこだわったし、ザックにもこだわりました。
ちなみに勤め人時代の私は、ザックだけで10種類持っていました。30リットルから120リットルまで持っていました。それを山によって季節によって使い分けました。場合によっては、背負子を担いだこともありましたし、フレームザックで山にいったことも、カメラバックで山にいったこともあります。どんな山行かによって、持っていくものがまるっきり違っていました。
その経験からいうと、ザック(リュックサック)選びについて語る前に、どんなザックがあるのか、知っておいた方が良いと思いますので、まず、どんなザックがあるのかを説明してみましょう。
【関連する記事】